Claude Projectsの使い方|文脈を保ったまま長期プロジェクトでAIを活用する方法

Ai Basics

「ChatGPTやClaudeを使っていると、毎回同じ前提情報を貼り付け直すのが面倒」「過去のやりとりを忘れられて、また一から説明し直し」――そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
生成AIは便利ですが、会話ごとに記憶がリセットされるため、長期にわたるプロジェクトや継続業務で使うと、ファイルや背景情報を毎回入力し直す手間が発生します。

この記事では、Anthropic社が提供する「Claude Projects」機能を使って、プロジェクト単位で文脈・資料・カスタム指示を保存し、毎回同じ前提でAIと会話を続ける方法を解説します。実務での具体的な活用パターンから、うまく機能しない時の対処法まで、非エンジニアの方でもそのまま試せる内容にまとめました。

Claude Projectsの使い方|文脈を保ったまま長期プロジェクトでAIを活用する方法

Claude Projectsとは?

Claude Projects(クロード・プロジェクト)は、Claudeの有料プラン(Pro / Team / Enterprise)で利用できる、長期プロジェクト向けのワークスペース機能です。1つの「プロジェクト」内に資料ファイル・URL・カスタム指示を保存しておくと、その中で行う複数の会話すべてに同じ文脈が自動適用されます。

通常のClaudeとの大きな違いは以下の通りです。

知識ベース(Project Knowledge): PDF・Word・テキストなど最大200,000トークン分の資料を保存可能。会話のたびに添付し直す必要がない
カスタム指示(Custom Instructions): 「あなたは○○の専門家として答えてください」等の役割設定をプロジェクト全体に適用
会話履歴の保管: プロジェクト内の過去会話を一覧で振り返り、必要なものを再開できる
共有機能(Team以上): チームメンバーと同じプロジェクトを共有し、ナレッジを集約できる

利用には Claude Pro(執筆時点 月額20ドル)以上のプランが必要です。無料プランでは利用できません。

具体的な使い方(ステップバイステップ)

1. プロジェクトを新規作成する

Claude.aiにログインし、左サイドバーの「Projects」をクリックします。右上の「Create project」を選び、以下の項目を入力します。

Name: プロジェクト名(例: 「2026年度マーケティング戦略」)
Description: プロジェクトの目的を1~2文で記載

名前は後から変更できますが、検索性のために具体的に書いておくと、プロジェクトが増えた時に探しやすくなります。

2. カスタム指示を設定する

プロジェクト画面の右側「Set project instructions」をクリックし、Claudeに守ってほしい役割・トーン・出力形式を記述します。記入例は以下の通りです。

あなたは中小企業のマーケティング戦略を支援するコンサルタントです。 回答は以下のルールに従ってください。 - 必ず日本語で回答する - 専門用語は初出時にカッコで補足する - 数字や根拠が必要な場合は「要検証」と明記する - 提案は3案までに絞り、それぞれにメリット・デメリットを併記する - 回答の冒頭で「結論」を1~2行で述べてから詳細を展開する

ここで設定した内容は、このプロジェクト内のすべての会話に自動的に適用されます。会話のたびに「日本語で答えて」「箇条書きにして」と書く必要がなくなります。

3. 知識ベースに資料を追加する

「Add content」から、プロジェクトの前提となる資料をアップロードします。対応形式は PDF・Word・テキスト・Markdown・CSVなど。URLを直接貼り付けることも可能です。

追加すべき資料の例は次の通りです。

・自社のサービス概要書・会社案内
・ブランドガイドライン・トンマナ資料
・過去の議事録・企画書のテンプレート
・業界レポート・調査資料
・よく参照する社内規定・運用ルール

合計で200,000トークン(日本語で約15万字)まで保存できます。これは新書1冊分程度の情報量なので、業務に必要な前提資料は十分入ります。

4. 会話を開始する

知識ベースとカスタム指示が設定できたら、画面下部の入力欄から普通に質問を入力します。Claudeは知識ベースの内容とカスタム指示を踏まえた上で回答してくれます。

たとえば「来月のメルマガ企画を3案出して」と聞くだけで、ブランドガイドラインに沿ったトーンと、過去のテンプレート構成を踏襲した提案が返ってきます。

5. 過去の会話を再開・整理する

プロジェクト画面下部に過去の会話一覧が表示されます。タイトルは自動生成されますが、後から編集できるので、重要な議論はわかりやすい名前に変えておくと再利用しやすくなります。

実務での活用例(Before/After)

Claude Projectsを導入する前と後で、実務がどう変わるかを具体例で示します。

業務シーン Before(通常のClaude) After(Claude Projects)
議事録要約 会議のたびに「議事録の構成」「過去の用語集」を添付 議事録テンプレートと用語集を知識ベースに保管。録音文字起こしを貼るだけで指定形式で要約が返る
ブログ記事執筆 毎回「ブランドトーン」「禁止表現リスト」を貼り付け カスタム指示にトーン、知識ベースに過去記事URLを保存。タイトルだけで初稿が完成
顧客対応メール 顧客ごとの背景説明を毎回入力 顧客プロジェクトを作り、過去のやりとりを保存。「先日の件、フォロー文を作って」で文脈ありの返信が完成
マニュアル更新 既存マニュアルを毎回添付して差分を依頼 マニュアル本体を知識ベースに置き、変更点だけ伝えれば該当箇所の修正案が返る

特に効果が大きいのは「同じ前提で繰り返し依頼する作業」です。毎回の入力時間を5~10分削減できれば、月20回の利用で2~3時間の業務削減につながります。

うまくいかない時の対処法

実際に使ってみると、期待通りに動かないケースもあります。よくある問題と対処法をまとめました。

知識ベースの内容を参照してくれない

Claudeに「知識ベースに保存した○○資料を参照して」と明示的に指示してください。資料が大量にある場合、関連性が低いと判断されると参照されないことがあります。プロジェクト名や資料のファイル名を質問文に含めるのも有効です。

カスタム指示が無視される

長い会話を続けるうちに、カスタム指示の優先度が下がることがあります。「冒頭の指示に従って、もう一度この観点で答え直してください」と指示し直すか、新しい会話を開始してください。

知識ベースの容量制限に引っかかる

200,000トークンを超える資料は分割するか、要約版を作って格納します。PDFは画像化された資料だとテキスト抽出されないので、テキスト形式に変換してからアップロードしてください。

チームでの共有がうまくいかない

共有機能はTeamプラン以上で利用できます。Proプランでは個人専用となるため、チーム利用を想定する場合はプラン変更が必要です(執筆時点)。

本記事のまとめ

Claude Projectsは、生成AIを「単発のチャット」から「継続業務のパートナー」へ進化させる機能です。毎回の前提入力を省くだけでなく、組織のナレッジを集約する場としても活用できます。

特に以下のような業務で効果を発揮します。

定型業務の繰り返し: メール作成、議事録要約、レポート作成
ブランド統一が必要な制作: ブログ、SNS投稿、顧客向け資料
長期プロジェクトの管理: 数ヶ月単位で続く案件の文脈保持
属人化の解消: ベテランのナレッジを知識ベースに保存して共有

Pro以上のプランが必要にはなりますが、毎日業務でClaudeを使う方であれば、月額20ドルは十分に元が取れる投資です。まずは1つ、自分が一番繰り返している業務でプロジェクトを作ってみることをおすすめします。

なお、AIの社内導入を組織全体で進める戦略については、姉妹サイトDXマスター.JPでも詳しく解説しています。

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