「GitHub Copilotを使いたいけど、月額費用がネックで試せていない」という声をよく聞きます。AIコーディングアシスタントは開発効率を大きく変えるツールですが、コストが導入の壁になるケースは少なくありません。
Continue.devは、VS Codeに無料でAIコード補完を追加できるオープンソースの拡張機能です。Claude、GPT-4o、Geminiなど主要なAIモデルを自分で選んで接続でき、ローカルLLMを使えば完全無料での運用も可能です。
この記事では、Continue.devのインストールから基本設定、実務での活用法まで、プログラミング経験が浅い方でも再現できるよう解説します。
Continue.devとは?なぜ今注目されているか
Continue.dev(コンティニュー)は、2023年にリリースされたオープンソースのAI開発支援ツールです。VS Codeの拡張機能として動作し、コード補完・チャット・インライン編集の3機能を無料で提供します。
GitHub Copilotとの最大の違いは「使うAIモデルを自分で選べる」点です。Anthropicのサービスに縛られず、OpenAI・Google・ローカルモデルなど複数のAIを自由に切り替えられます。
・コスト自由度が高い: Ollamaと組み合わせれば月額費用ゼロで運用できる
・プライバシー管理: ローカルモデルを使えばコードが外部サーバーに送信されない
・モデル切り替え可能: 用途に応じてClaude・GPT-4o・Geminiを使い分けられる
・オープンソース: ソースコードが公開されており、企業のセキュリティ審査を通しやすい
2026年現在、GitHub Copilotの代替として開発現場での採用が急速に広がっています(執筆時点)。特に情報セキュリティを重視する企業や、AIツールのコスト管理を求める中小企業での導入事例が増えています。
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Continue.devの導入方法(ステップバイステップ)
1. VS Code拡張機能のインストール
VS Codeを起動し、左サイドバーの拡張機能アイコン(四角が4つ並んだアイコン)をクリックします。検索バーに「Continue」と入力すると、「Continue – Codestral, Claude, and more」という拡張機能が表示されます。
「インストール」ボタンをクリックすると、数秒でインストールが完了します。VS Codeのサイドバー左端にContinueのアイコンが追加されれば成功です。
インストール直後に「Get Started」ページが開きますが、最初はスキップして問題ありません。
2. AIモデルの接続設定
Continue.devはそのままでは動きません。接続するAIモデルのAPIキーを設定する必要があります。以下の3つが特に使いやすくおすすめです。
| AIモデル | 特徴 | 費用感 |
|---|---|---|
| Claude Sonnet(Anthropic) | コード品質が高く長い文脈も正確に理解する | 従量課金(使った分だけ) |
| GPT-4o(OpenAI) | 汎用性が高く日本語の指示も得意 | 従量課金 |
| Ollama(ローカルLLM) | 完全無料・オフライン動作・情報漏洩リスクなし | 無料(PC性能が一定以上必要) |
Claude(Anthropic)のAPIキーを取得するには、console.anthropic.comにアクセスしてアカウントを作成後、「API Keys」メニューからキーを発行します。
VS Code上でContinueのサイドバーアイコンをクリックし、画面下部の歯車アイコン > 「Open Config」を選びます。開いた`config.json`ファイルを以下のように編集します。
{ "models": [ { "title": "Claude Sonnet", "provider": "anthropic", "model": "claude-sonnet-4-6", "apiKey": "sk-ant-api03-ここにAPIキーを貼り付け" } ], "tabAutocompleteModel": { "title": "Claude Haiku", "provider": "anthropic", "model": "claude-haiku-4-5-20251001", "apiKey": "sk-ant-api03-ここにAPIキーを貼り付け" } }
`tabAutocompleteModel`(インライン補完用)は速度重視のため、より軽いHaikuモデルを設定しています。チャット用と補完用でモデルを使い分けるのが費用対効果の高い設定です。
3. 設定の確認と最初の補完テスト
設定後、VS Codeを再起動します。試しに新しいPythonファイルを作成し、以下を入力してみてください。
# 売上データのCSVを読み込んで月別集計を返す関数 def aggregate_monthly_sales(
数秒後にグレーの補完候補が表示されます。Tabキーを押すと確定、Escキーで却下です。補完が表示されない場合は、VS Codeの右下ステータスバーに表示される「Continue」インジケーターが「Connected」になっているか確認してください。
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3つの主要機能の使い方
インライン補完(Tab補完)
コードを書いている途中でAIが続きを予測して補完候補を提示します。GitHub Copilotと同じ感覚で使えるため、乗り換えのハードルが低い機能です。
精度を上げるコツは「コメントで意図を明確に書いてから書き始める」ことです。関数名だけでなく、何をする関数かをコメントで書くと、AIがその意図を読み取って適切な補完を行います。
チャット機能(Ctrl+L / Cmd+L)
コードを選択してCtrl+L(MacはCmd+L)を押すと、サイドパネルにチャット画面が開きます。選択したコードについてAIに日本語で質問・修正依頼ができます。
実際の使用例です。エラーが出ているコードを選択して以下のように入力するだけで、原因と修正案を日本語で説明してくれます。
【入力】 このコードで「KeyError: 'sales'」というエラーが出ます。原因と修正方法を日本語で教えてください。 【AIの回答例】 エラーの原因は、DataFrameに'sales'列が存在しない点です。 考えられる原因は2つあります。 1. CSVファイルの列名が'Sales'(大文字始まり)になっている 2. 読み込み時に列名の前後に空白が含まれている 修正方法:df.columns.tolist() で実際の列名を確認してから 列名を合わせてください。
インライン編集(Ctrl+I / Cmd+I)
コードを選択してCtrl+I(MacはCmd+I)を押すと、選択範囲をその場で書き換えるモードになります。
「コメントを日本語に翻訳して」「この関数にtry-exceptのエラーハンドリングを追加して」といった指示を日本語で入力すると、変更箇所が色分けで表示されます。Acceptで適用、Rejectで元に戻せるため、安心して試せます。
既存のコードを修正する際に特に便利で、「この処理の変数名をわかりやすく変えて」「パフォーマンスを改善して」といった抽象的な指示でも対応してくれます。
実務での活用例(Before/After)
【ケース1: 社内ツールのスクリプト作成】
Before: 「月次の売上データをExcelから読み込んで集計するPythonスクリプトを書きたいが、pandasの使い方がわからずStack Overflowを30分以上検索していた」
After: Continue.devのチャットに「Excelファイルを読み込んで月別・部門別に売上を集計して、棒グラフも一緒に出力するPythonコードを書いて。日本語コメント付きで」と入力。5分でコピペして動くコードが完成。検索時間がほぼゼロになった。
【ケース2: 引き継いだコードの改修】
Before: 前任者が書いたコードを改修するたびに、どこかが壊れないか不安で変更に時間がかかる。コードの意図を理解するだけで1時間以上かかることも。
After: 修正したい関数を選択してチャットで「この関数が何をしているか日本語で説明して」と入力し全体を把握。その後Ctrl+Iで「戻り値をリストからDataFrameに変更して」と指示。変更箇所が一目でわかるため影響範囲を確認してから適用できる。改修時間が従来の半分以下に。
【ケース3: エラーの原因調査】
Before: エラーメッセージをそのままGoogleで検索しても、英語の情報しか見つからないことが多く、解決に1~2時間かかる。
After: エラーが出たコードをContinue.devのチャットに貼り付けて「このエラーの原因と修正方法を日本語で教えて」と入力するだけ。多くの場合5分以内に解決できるようになった。
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うまくいかない時の対処法
補完が全く表示されない
→ config.jsonのAPIキーに余分なスペースや改行が含まれていないか確認してください。VS Code右下のContinueインジケーターを右クリックして「View Logs」を選ぶと、具体的なエラー内容が確認できます。
補完の精度が低い・的外れな提案が来る
→ コメントや関数名で意図を詳しく書くと改善します。また`tabAutocompleteModel`をより高性能なモデルに変更することも有効です。ファイル全体のコードが多すぎる場合、AIが文脈を把握しきれないことがあります。関数単位でファイルを分割するとよいでしょう。
APIの利用料金が不安
→ Ollamaを組み合わせれば完全無料で運用できます。当サイト記事「Ollamaの使い方|自分のPCでAIを動かすローカルLLM入門」も参照してください。PC性能が低い場合はAPIプランのほうが快適です。
チャットでの日本語回答がうまくいかない
→ config.jsonの`systemMessage`に「必ず日本語で回答してください」を設定します。もしくはチャットの最初のメッセージに「日本語で答えて」と一言添えるだけでも改善します。
インライン補完が遅い
→ `tabAutocompleteModel`を軽量なモデル(claude-haiku-4-5など)に変更するか、Ollamaのローカルモデル(Qwen2.5-Coder 1.5Bなど小さいモデル)を使うと応答が速くなります。
本記事のまとめ
Continue.devは「AIコーディングアシスタントをまず試してみたい」という方に最適なツールです。
| 機能 | ショートカット | 主な用途 |
|---|---|---|
| インライン補完 | 自動表示 → Tabで確定 | コード入力の高速化 |
| チャット | Ctrl+L / Cmd+L | エラー解決・コード説明 |
| インライン編集 | Ctrl+I / Cmd+I | 既存コードの安全な改修 |
| モデル切り替え | config.jsonで設定 | コスト・精度のバランス調整 |
GitHub Copilotと比べてカスタマイズ性が高く、接続するAIモデルを自由に選べる点が最大のメリットです。ローカルLLM(Ollama)と組み合わせれば月額費用をゼロにすることもできます。
まずはAnthropicやOpenAIのAPIキーを取得して、Continue.devをインストールするところから始めてみてください。1時間あれば基本的な環境が整います。
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