GitHub Copilot Chatの使い方|コードのデバッグ・テスト生成・コードレビューをAIに任せる実践ガイド

Ai Programming

「コードを書いていてエラーが出たとき、原因がすぐにわからない」「テストコードを書く時間がない」「コードレビューを依頼できる人が近くにいない」——開発の現場でよく聞く悩みです。

GitHub Copilot Chatは、VS CodeやJetBrains IDEの中でAIと対話しながら、コードの説明・デバッグ支援・テスト生成・コードレビューをその場で実行できるツールです。コードを自動補完する「GitHub Copilot」はすでにご存知の方も多いと思いますが、Chatはその上位機能で、チャット形式でAIに指示を出せるのが大きな特徴です。

この記事では、GitHub Copilot Chatの基本的な使い方から、実務で使えるデバッグ・テスト・レビューの実践テクニックまで、具体的な手順とプロンプト例を交えて解説します。

GitHub Copilot Chatの使い方|コードのデバッグ・テスト生成・コードレビューをAIに任せる実践ガイド

GitHub Copilot Chatとは?コード補完との違い

GitHub Copilot Chatは、GitHub Copilotに搭載されたAIチャット機能です。

通常のGitHub Copilot(コード補完)は、コードを書いている途中に「次のコードの候補」を自動で表示します。一方、Chatはチャット形式で質問・指示を自由に出せる点が根本的に違います。

コード補完(従来のCopilot): コードを書きながら候補が自動表示される「受け身」の支援
Copilot Chat: 「エラーの原因を教えて」「テストを書いて」と能動的に依頼できる「対話型」の支援

Copilot Chatに依頼できる主な内容は以下のとおりです。

エラーの説明・修正: エラーメッセージを貼り付けて「なぜ出るか」「どう直すか」を聞く
コードの説明: 既存コードを選択して「このコードが何をしているか説明して」と依頼
テスト生成: 関数を選択して「このコードのユニットテストを書いて」と指示
リファクタリング: 「このコードをもっとシンプルにしてほしい」と改善を依頼
コードレビュー: コードを渡して「問題点があれば指摘して」と確認

AIを「開発の相談相手」として活用するイメージです。

GitHub Copilot Chatの始め方

1. 料金プランを確認する(執筆時点・2026年4月)

GitHub Copilot Chatを使うには、GitHub Copilotのサブスクリプションが必要です。

個人プラン(Copilot Individual): 月$10〜。Chatを含むすべての機能が利用可能。個人開発者向け
ビジネスプラン(Copilot Business): 月$19/ユーザー〜。組織管理・セキュリティ機能が追加
Enterpriseプラン(Copilot Enterprise): 月$39/ユーザー〜。社内コードベースのカスタマイズが可能

GitHubアカウントがあれば公式サイトから申し込めます。30日間の無料トライアルも用意されています。

2. VS CodeにGitHub Copilot Chat拡張をインストールする

VS Codeを使っている場合、以下の手順で有効化します。

・VS Codeを開き、左側の「拡張機能」アイコン(四角が4つのアイコン)をクリック
・検索欄に「GitHub Copilot Chat」と入力
・「GitHub Copilot Chat」をインストールしてVS Codeを再起動
・右下に「GitHub Copilot」アイコンが表示されたらインストール完了
・GitHubアカウントでサインインするとChatが使えるようになる

JetBrains製のIDE(IntelliJ IDEA、PyCharm等)でも、JetBrains Marketplaceから「GitHub Copilot」プラグインをインストールすることで同様に利用できます。

3. Chatパネルを開く

VS Codeでは、左側サイドバーに「吹き出し」アイコンが追加されています。これをクリックするか、ショートカット(Ctrl+Alt+I / Cmd+Option+I)でChatパネルを開けます。コードを右クリックして「Copilot」メニューからChatを呼び出すことも可能です。

コードのデバッグをCopilot Chatで解決する

エラーが出たとき、最初にやることは「エラーメッセージとコードをCopilot Chatに渡すこと」です。Googleで検索する前にまずChatに聞く習慣をつけると、デバッグにかかる時間が大幅に短縮されます。

1. エラーをそのまま貼り付けて原因と修正方法を聞く

エラーメッセージと該当コードを一緒に渡すと、AIが原因を特定して修正コードを提示してくれます。

以下のPythonコードでエラーが発生しています。 原因と修正方法を教えてください。 コード: def calculate_average(numbers): total = sum(numbers) return total / len(numbers) result = calculate_average([]) print(result) エラー: ZeroDivisionError: division by zero

このプロンプトに対して、Copilot Chatは「空のリストが渡されたときにゼロ除算が発生する」と説明し、修正済みのコードを提示してくれます。

# 修正後のコード例(Copilot Chatが提示) def calculate_average(numbers): if not numbers: return 0 return sum(numbers) / len(numbers)

2. 「Explain this error」機能を使う

VS Codeでエラーが発生した行にカーソルを合わせると、電球マークが表示されます。「Explain using Copilot」を選ぶと、その場でChatにエラーの解説を依頼できます。コードのコピー&ペーストなしで、ワンクリックでデバッグ支援を受けられます。

3. 複数ファイルにまたがるエラーの調査

関連する複数のファイルを参照させたい場合は、「#ファイル名」の形式でコンテキスト変数を使います。

#user.py と #auth.py を参照して、 ログイン処理でNoneが返ってくる原因を調べてください。

テストコードをCopilot Chatで自動生成する

「テストを書く時間がない」という悩みを解消できるのが、Copilot ChatのTest生成機能です。テスト対象の関数を選択してコマンドを1つ打つだけで、テストコードを自動で作成してくれます。

1. /testsコマンドで一発生成する

テストを書きたい関数をハイライト(選択)した状態でChatに「/tests」と入力するだけです。

(テスト対象の関数を選択した状態で) /tests

Copilot Chatは関数の仕様を読み取り、正常系・異常系を含むテストケースを自動で生成します。

# 自動生成されたテストコード例(pytest形式) import pytest def test_calculate_average_normal(): assert calculate_average([1, 2, 3]) == 2.0 def test_calculate_average_empty(): assert calculate_average([]) == 0 def test_calculate_average_single_element(): assert calculate_average([5]) == 5.0 def test_calculate_average_negative(): assert calculate_average([-1, -2, -3]) == -2.0

2. テストの観点を指定して精度を上げる

「/tests」コマンドに追加の指示を加えると、より網羅的なテストが得られます。

以下の関数のユニットテストをpytestで書いてください。 正常系・異常系(空リスト・None・文字列が混じる場合)も含め、 エッジケースも網羅してください。

3. テストフレームワークを指定する

「Jestで書いて」「JUnitで書いて」のように使用するフレームワークを指定すると、そのフォーマットでテストコードを生成してくれます。JavaScript・Python・Java・Goなど、主要な言語とフレームワークに対応しています。

コードレビューをCopilot Chatに依頼する

PRを出す前の自己レビューや、コードの品質確認にCopilot Chatを活用する開発者が増えています。AIによるレビューは24時間即座に実行でき、人間のレビュワーに依頼する前の「一次フィルター」として機能します。

1. /reviewコマンドでレビューを依頼する

レビューしたいコードを選択して「/review」と入力すると、潜在的なバグ・パフォーマンス問題・セキュリティリスク・改善点をリストアップしてくれます。

(レビューしたいコードを選択した状態で) /review

2. レビューの観点を絞って依頼する

観点を指定すると、より具体的なフィードバックが得られます。

セキュリティレビュー: 「SQLインジェクション・XSSのリスクを中心にチェックしてください」
パフォーマンスレビュー: 「ループ回数が多すぎる箇所や非効率な処理があれば指摘してください」
可読性レビュー: 「変数名・関数名がわかりにくい箇所を教えてください」
エラーハンドリング: 「例外処理が抜けているケースがあれば指摘してください」

3. 指摘と同時に修正コードも出してもらう

問題点の指摘だけでなく、修正済みのコードを直接書いてもらうことも可能です。

このコードにセキュリティ上の問題があれば指摘し、 修正済みのコードも一緒に提示してください。

実務でのBefore/After活用例

エラー調査の時間が30分→3分に

Webアプリ開発中に「AttributeError: ‘NoneType’ object has no attribute ‘get’」というエラーが発生。

Before: Googleで類似事例を検索し、試行錯誤して原因を特定するまで30分かかった。

After: 同じエラーをCopilot Chatに貼り付けて「原因と修正方法を教えて」と聞いたところ、「データベースからの取得結果がNoneで、そのままメソッドを呼び出している」と即座に説明。修正コードも提示してくれて、3分で解決できた。

テストカバレッジが0%→60%に

Before: 「テストを書く時間がない」という理由でユニットテストが0件のまま半年間リリースを続けた。あるとき修正がバグを生んだことに気づかず、本番障害が発生した。

After: 実装が終わったらすぐ「/tests」を実行する習慣をつけた。テストコードを書く時間がほぼゼロになり、6ヶ月でカバレッジが60%まで向上。リグレッション(修正による意図しない不具合)を本番前にキャッチできるようになった。

コードレビューの手戻りが半減

Before: PRを出すたびに「変数名がわかりにくい」「エラーハンドリングが抜けている」という指摘を受けて修正し直す作業が毎回発生していた。

After: PR提出前に「/review」で自己レビューするようにしたところ、明らかな問題を事前に修正できるようになった。レビュワーからの指摘件数が約半分に減り、レビューサイクル全体の速度が上がった。

うまくいかない時の対処法

回答が的外れな場合

Copilot Chatへの依頼が曖昧だと、的外れな回答が返ってくることがあります。「何をしたいか」「何が問題か」をセットで伝えるのが基本です。

NG: 「このコードを直して」
OK: 「このコードはメールアドレスを検証する関数です。@マークがない場合もバリデーションを通過するバグがあります。修正してください」

機密情報を含むコードの扱いに注意

GitHub Copilot Chatに入力した内容はGitHubのサーバーに送信されます。社内の機密情報・個人情報・APIキーが含まれるコードをそのまま渡すのは避けましょう。企業での利用はEnterpriseプランを選択し、コードスニペットをモデルトレーニングに使用しない設定を適用することを推奨します。

最新ライブラリ・新機能には公式ドキュメントで確認を

Copilot ChatはAIモデルの学習データに基づいて回答するため、最新バージョンのライブラリ仕様や2025年以降の新機能については正確でない場合があります。新しいAPIや仕様については、公式ドキュメントで必ず確認してください。

本記事のまとめ

GitHub Copilot Chatは、コード補完の枠を超えて、開発中のさまざまな「困った」をAIとの対話で解決するツールです。

使いたい場面 操作方法 得られる効果
エラーが出た エラーとコードを貼り付けて原因を質問 原因と修正案を即座に取得
コードの意味がわからない /explain または「このコードを説明して」 初見コードも短時間で理解
テストを書きたい 関数を選択して /tests 正常系・異常系テストを自動生成
コードをレビューしたい コードを選択して /review 潜在バグ・セキュリティリスクを発見
コードをシンプルにしたい 「このコードをリファクタリングして」 読みやすい実装に改善

使いこなすポイントは「具体的に依頼すること」です。コードだけでなく「何をしたいか」「何が問題か」を一緒に伝えると、精度の高い支援が得られます。

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GitHub Copilot ChatのようなAIツールを使いこなすには、「AIへの依頼の仕方」そのものを磨くことが重要です。
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